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Q11.オーダーリースの賃料減額要請

Q11.オーダーリースの賃料減額要請

もともと倉庫業を営んでいたのですが、カラオケチェーン店を経営する会社から付近の 相場(坪当たり5000円)の2倍(同1万円)の家賃を払うのでカラオケ店を建設して 欲しいというので、倉庫を取り壊し、銀行から借り入れてカラオケ店舗を建設し、約束通 り坪1万円で賃貸しました。そうしたところ、1年経って比隣の賃料と比較し家賃が高い ので半額の坪5000円にしてくれという申し入れを受けました。それでは銀行への返済 もできなくなります。値下げしなくてはならないのでしょうか。継続賃料はどのように評 価するのでしょうか。

A.

継続賃料の評価方法として、①差額配分法、②利回り法、③スライド法、④賃貸事例比 較法があります。借地借家法の賃料増減請求権行使の要件として、賃貸借契約締結後相当 期間の経過と経済事情の変動が必要とされています。
テナント側は賃料相場坪5000円の2倍を払ってでも採算がとれると判断し、オーナ ー側は坪1万円であれば銀行返済も可能と判断し賃貸借契約を締結しているわけです。こ の約束は守らなければならないということが賃貸借契約の大前提です。
この1年間でどのような経済事情の変動があったのかを判断します。従って、本件のよ うな特殊事情がある場合は、賃貸事例比較法はあまり参考になりません。もともと相場は 坪5000円であることが分かっていて、坪1万円と合意しており、本件特有の特殊な事 情(いわゆるオーダーリース)があるからです。比隣の賃料が5000円だからといって 5000円に値下げするようなことになると、家主にとっては2階に上って梯子を外され ることになります。本件のような理由では比隣の賃料まで値下げできるということにはな らないと考えられます。